気になった事があったので、書いておきます。

板書書き写しなどの困難に対して、「前庭動眼反射(VOR)の反応が良くない(からと考えて)。、(追従性、跳躍性などの任意性の)眼球運動をとりいれる」というような記述が目に入りました。

そもそも、前庭動眼反射は、前庭器官からの頭位情報が刺激となって起こる反射です。即ち頭が動いていることそのものが、刺激になっているわけです。ですから目をつむっていても前庭動眼反射は働きます。

もう一つ「視運動性眼球運動(OKR)」は、視物を固視し頭が動いていない状態で、視物を眼球が追尾し視野から外れると急速に戻る。これは目でとらえた光の情報そのものが刺激なのです。

このVORとOKRで構成されるのが、体が動いている時の像のぶれ防止作用である「代償的眼球運動」となります。※OKRは目をつむると働かない。

従って「前庭動眼反射が良くない」ということでのVTとして、対座していくら任意性の眼球運動をやっても、意味がありません。

そのあたりは、Behavioral OPTOMETRYが、なぜ粗大運動を重視しているのかというところに解があると思います。